
阿部勤さんはもうひとりのわが師です。
阿部さんの自邸には
アルテックの会で何度か伺ったことがあり、それはすばらしい空間体験でした。
ぼくが日本で見た中で、最も感動した住まいです。
その居心地の良さがどうしてなのか、を考えることが、その後のぼくの建築の糧となりました。
ガラスのピラミッドの中庭まわりの構成は、その影響を強く受けています。
まだまだ学ぶべきことはたくさんあるようです。
以下、阿部勤氏の文より抜粋です
私の家(中心のある家)は竣工してから38年になりますが全く古さを感じさせません。
むしろ年を経る毎に良くなっています。物理的に劣化していません。その主な原因は、庇と無垢の素材です。外観のコンクリート打ち放しが劣化していないのは、庇が出ている為です。
素性の知れない新建材でなく、人類が何万年の間慣れ親しんできた石、木、土、といった、中まで本物の無垢素材は、経年変化によって人や環境に馴染み、風合いが出て、年を経る毎に良くなります。
時間のなかで私との関係もより深まり愛着も湧き、居心地が良くなっています。周辺環境とも馴染み街の風景ともなっています。