スリットの家
敷地は古い集落にあり、母屋の裏の畑の一部を利用して, ご夫婦とこどもふたりのための住まいを依頼された, 富山ではよくある母屋からの若世帯の増築である。
知人である施主からの要望は、「楽しい家」ということと, 問題だったのは、限られた建築予算だった。
そこで考えたことは、要素を少なくしてシンプルにすること, 間仕切りや建具をなくしてワンルームとし, 最低限必要な部屋や空間ヴォリュームを 確保すること, 周辺からの視線を意識し、開口部もできるだけ少なくすること, そんな, 単純なワンルームの家をイメージしてデザインをすすめた。
光がスリットからはいる、シンプルなハコ, ハコの四隅がとられ
スリットとなり そこから光がはいる, 東西南北に均等に配置した スリットからの光が, 内部のそこかしこに浸透することを意図した。
ワンルームの空間に「やぐら」をつくった, ダイニング・テーブルを1Fの中心におき、, 家族みなが集まる場、居間とし, そこに4本の柱が斜めにたちあがって「やぐら」をつくった。
キッチン、テラス、サロン、水回りをクロス状に配置し, 結果、周辺にいろいろな場所ができて
「やぐら」を中心につながった。
「スリットの家」第53回富山県デザイン展にて「奨励賞」をいただきました。